クルーを育てよう!

ポテドン
ポテドン

みなさん、おはこんばんにちは!

今年の梅雨入りは想像以上に早い訪れで・・・びっくりしますね。2週間以上早いという事で、予定していた事が全部狂っております。撮影の仕事も梅雨入りのせいで先送りに。釣りにも行けず(涙)

来週から1ヶ月ほど撮影の仕事で全く動けなくなるので今週中に行っておきたかったのですが雨&シケ。週末晴れる予定ですが、土曜日はシケ、日曜日は小学校の運動会。もう無理だ―!

そう言えば、ご近所さんが今日釣りに行かれていたので釣果をお聞きした所、夜焚きに行ってイカが大漁に釣れたとの事。そう言えば夜焚きのシーズンでしたね!私まだ夜焚きはやった事がなく、今年こそはと狙っております。

先日SLJでケンサキイカが釣れましたが・・・

ポテドン
ポテドン

先日ポイントの店員さんにお聞きした所このイカはケンサキイカとの事でした。

さて本題に入っていきます!

私の主観で免許取り立ての方でこれからマイボートで釣りしようと思っている方にお伝えできればと思っています。熟練者の方はお見苦しいかとは思いますが・・・

免許取り立ての方は慎重に!

私は元々船乗りなので、仕事の中で色々な事を学ばせて頂きました。危険なシーンや回避方法、船体の修理からエンジン修理まで叩き込まれ、ある程度は1人で対応する事ができるようになりました。お陰でマイボートになっても特に苦労する事もなく1人で出かけることができています。

しかし、免許を取り立ての方は操船技術も未熟であり、危険区域や危険回避能力、波風、天候の把握、引き波などあらゆる状況の対応が求められます。

ハッキリ言いますが、自然を相手にする遊びなのでなめてはいけません。油断した所に事故はやってきます。私も何度か危険なシーンに遭遇した事はあります。この辺りは何回も乗って慣れていくしかないかと思いますが、絶対に油断してかからない事をお勧めします。皆さんの命の為にも。

時折、YOUTUBERの方で結構無謀な運転をしている動画をお見受けします。そして、危うく大惨事になるような動画をアップロードされていてヒヤヒヤさせられます。確かにわかり易い海難事故のお手本のような気もしますが、正直あんな状況までもっていく事自体が船長としては失格かなと思います。命を大事にしてください。

クルーの存在は大事です

さて、先ほどは船長になったらという事を軽く触れましたが、マイボ手に入れたら友達と!彼女と!子供と!大海原へ釣りに行こう!とワクワクかと思います。

タイトルではクルーを育てよう!とか偉そうな事を言っていますがクルーの存在はとても大事です。一人より複数の方ができる事はとても増えます。最初は船長としてのスキルも足りないと思うので、その部分をクルーに補ってもらう事は非常に大切です。勿論、熟練者の方でもクルーがいるといないとでは違います。

でも、そのクルーが何も知らない初心者だと逆に危険になる事があります。それを回避するために、クルーにはある程度の海や船のルールを知っておいてもらう必要があります。しっかりと状況を把握できるクルーは非常に心強いです。

逆に何もできないクルーはいつまでたってもお客様状態です。不測の事態でも頼りにすることができません。逆に慌てて危険になります。また、船長は遊漁船の船長ではないので接待する必要はないです。一緒に乗ったからには船員としてしっかりと動いてもらいましょう。

まずは、頻繁に一緒に釣りへ行くのは友達かと思います。その友達にはルールを教えていき、一緒に学んでいくのがおすすめです。子供や彼女、家族は正直頻繁に乗ることは少なく、クルーとしての役割は荷が重いです。しかし船に乗る際には、最低限のルールは教えましょう。

じゃあ、何を教えればいいの?

この部分を私なりにご説明させて頂きます。初歩的な事かと思いますがお許しください。

※ここでは、クルー=いつも一緒に乗る人お客様=子供や家族など時折レジャーとして乗る方と区分させて頂きます。

救命胴衣を必ずつけさせる

救命胴衣は教習でも習ったことですが、絶対に装着する必要があります。これ基本中の基本です。船を買った際に法廷備品として規定数の救命胴衣は確保されている事と思います。ほぼ、オレンジ色のフロートタイプを買われたのではないかと思います。

この社長が来ているフロートタイプは最強です。何があっても浮きます。牡蠣などに擦れても耐えてくれます。冬場は防寒としても使えますし、膨張式などに比べると自然な態勢で浮いてくれるので体力も奪われにくく子供にもお勧めです。でも、動きにくいし、夏場は暑いです。個人的に慣れている人には自動膨張式をおススメします。手動膨張式は個人的には微妙です。

ポテドン
ポテドン

かなづちの方はフロートタイプにしておいた方がいいかも・・・

法廷備品は基本何か不測の事態が起きた時に使用して頂きたいので、よく乗るクルーの方はマイライフジャケットを購入してもらう事をオススメします。こっちの方が、自分の好きな救命胴衣つけれるのでクルーのテンションも上がるってもんです(笑)

購入の際は桜マークのTypeAを必ず購入して下さいね!それ以外は海上保安庁に止められてバレたら罰則受けますので気を付けて下さい。

クリート結びなどの結び方を教える

まずクルーに知っておいてほしいのはロープワーク。勿論、免許取り立ての方もロープワークは基本中の基本です。船の係留や、アンカーロープの固定、フェンダーの固定など様々なところでロープワークは登場します。結び方は沢山あるのですが、まず知っておいてほしいロープワークは3つ!この3つさえ抑えていればある程度の対応ができます。

  • クリートヒッチ(クリート結び)
  • ボーラインノット(もやい結び)
  • クラブヒッチ(巻き結び)

この3つをまずは抑えて下さい。結び方の解説はあらゆる所で解説されていますのでググってみて頂けると幸いです。

クリートヒッチ(クリート結び)

船を桟橋に固定する際に頻繁に使用する結び方です。これは使用頻度高めですので覚えてもらいましょう。ちなみに、左の写真は完璧な形です。8の字になるのが正解です。8の字じゃない形は失敗。あと、クリートへの結びの回数もこの写真が正解です。時々、何度も何度もヒッチを重ねてすごい山になっている人が居ますが、あまり良くないです。何故かというと、不測の事態の際に船を直ぐに桟橋から離さなければならない時に沢山結んでいると咄嗟に外すことができないからです。あと、余ったロープは横に巻いておくスタイルは完璧です。

ボーラインノット(もやい結び)

キングオブノット!と言われているくらいの有名な結び方。咄嗟に輪を作る際に非常に便利です。結束力が非常に強いです。結束部分で外れた事は一度もないです。しかし、この結びの一番の素晴らしい所は、どんなに締めこんでいてもコツをつかめば簡単にほどく事ができます。使用用途としては、棒状のクリートにかけたり、船のタツにかけたりと色々と応用が利きます。荒業ですが、このノットの輪にロープを通してボーラインノットをするとロープとロープの結束も可能です。

クラブヒッチ(巻き結び)

これは、棒状の物にラインを結ぶ結び方です。写真がなくてすみません。これも非常に便利です。船のタツの部分に巻いて結んだり、船のフェンダーをライフラインに結び付けたりなど、知っておけば色々と使い勝手が良い結び方です。引っ張れば引っ張るほどこのノットは締めこまれていくので注意が必要です。この結び方、実はとっくり結びとも呼ばれていまして、徳利にひもを結ぶ結び方です。なんていうか私の中でのイメージはこれです。

SNKさんより引用しました

サムスピの覇王丸が持っているお酒を結んでいる結び方!若いときにこれで覚えて以来これが頭の中から離れません。

SAMURAI SPIRITS_20200408183317 Wikiより引用

覇王丸さんの酒攻撃!これだけ強く振り回しても外れない!流石巻き結び!(笑)

まずはこの3つを最低限覚えて頂ければある程度対応は可能です!

走っている船上では座ろう

船の上での動き方を知っておいた方が良いです。基本船は揺れます。不意な揺れで転倒し最悪は真冬の冷たい海に落ちる場合もあります。よって、船の上ではなるべく腰を低く座るようにしましょう。

これは他にも実は意味があります。大型の船に乗っている方はあまり感じる事は少ないかと思いますが、小型の船に乗っている方は、人の移動だけでも船が揺れます。波風がある日は特に船がローリング(横揺れ)やピッチング(縦揺れ)をします。そういった状況では船長は結構気を使います。波の方向や状況を見て舵を切り、スロットルを調整して安全性を保とうとします。

ところが、クルーが立っていると・・・

まず、物理的に前が見えない。視界が遮られると、浮いているブイや、波の判断、最悪は他船の発見などが遅れる場合があります。よって、船長の視界を遮るように船首側に立つ行為はあまり良くありません。

次に、人が立っていると船が大きく揺れます。船は起き上がりこぼしと同じ原理で、下方に重心を置く事で海の上に安定して立つことができます。しかし、波風が大きい状況でクルーが立っていると船が大きく揺れます。これは、メトロノームをイメージして頂くとわかると思います。重りを一番上に持っていくと、振り幅がとても大きくなります。これと同じように、人が立つことで船の重心が上の方に移り横揺れが激しくなります。大きい引き波が来ている時もしかりです。危ない時は釣りよりも座りましょう。

また、走行中の船の上では基本座らせるようにしましょう。これは、クルーもお客様もそうです。特に子供や彼女など、船に乗ること自体に慣れていない方には徹底して座らせる様に心がけて下さい。クルーの命を守るのも船長の役目です。

ウォッチャー(見張り)をしよう

船の安全運転のコツはしっかりとウォッチする事です。船が来ていないか。暗礁がないか。引き波が来ていないか。沖の方の波の状況、天気の状況。しっかりと観察する事が大切です。

しかし、釣りに没頭してしまうとどうしても疎かになってしまう時があります。私はなるべく意識を釣り半分、ウォッチ半分にしています。他船との距離や天候、状況、後方確認、クルーがちゃんといるかという事を確認しながら、魚探を見てベイトの確認とポイントを流れているかの確認をしつつ、自分の釣りもしなければなりません。これもあって船長は結構気疲れします。

やはり私も人。時には釣りに没頭してしまう時があります。そして、前や後ろの状況が見えていない時があります。そういう時に、クルーが目になって一緒にあらゆる方向を確認してもらえると助かります。釣りをしていると死角の部分が特に見えていない!

クルーが最初に気がけて見るべきものは、漁師さんが入れている小さなブイや大きな航路ブイ、他船との距離、瀬や岸に近付いている場合に一声かけてあげるという簡単なお仕事です。これだけでも安全性と船長の安心感が変わります。

船には均等に乗ろう

小型船は人の体重にかなり左右されます。(太っているからとかいう意味ではないですよ!)船の後ろに人が座りすぎると、船は後ろの方に重心が移りますし、前に行き過ぎると前に傾きます。

船は最初助走の段階ではバウ(船首)が上がり、スタン(船尾)が沈みます。そして、速度が乗ってくると前後のバランスが海面と平行になりプレーニング(滑走状態)します。この状態が速度も操作性も安定している状態です。

しかし、パワーが足りない船は人が偏りすぎると、プレーニングまでの時間がかかったり、プレーニングしない時があります。なるべくなら人は分散して乗ったほうが良いかと思います。船次第ではありますが。

ちなみに、向かい風の際にはバウが浮いてしまうので、少し前に重心をおくと安定します。逆に追い風の際には中央付近からややスタンに配置すると安定します。船は向かい風より追い風が怖いです。それはブローチングする可能性があるからです。ブローチングするような波では出るなって感じですがブローチング回避の操船方法は知っておいた方が良いかと思います。

離岸の補助をしよう

免許取り立ての頃は、離着岸が非常に怖い。慣れるとそうでもなくなりますが。特に着岸で風が強い日(バースから離される風)は難易度が上がります。

結束しているロープを外したり、そのロープを取り込んでキレイにまとめたり、バースから船を放してあげたり、安全確認をしたりと補助する事が盛りだくさんです。船長の指示を聞いてしっかりと動いて下さい。ただし、ロープを外すと言いましたが、船長の指示なしにロープを一気に全部外したりはしないように。時々新人さんが侵すミスです。準備できていないのに船がいつの間にか流されていたりして焦ります。

一番ベストな方法は、船長からロープを外す指示があったらある程度係留ロープを外した時点で、船主側と船尾側の人がそれぞれロープを手に持ち、クリートにかけて待機しておく事です。そして、船長の最終指示でロープを放して乗り込みます。ちなみに、クリートにかけて待機というのは、直接ロープを持っていると、不意な突風などで船が押された場合、間違いなく人は耐えきれません。

棒人間ですみません。クリートにかけておくとはこの状態です。この状態だと人への負荷が軽減します。また、結んで固定していないので、船長と船の状況に合わせて、緩めたり、固定したりと臨機応変に対応ができます。

ロープ外したロープはきちんとまとめて人が踏んだり、引っかかったりしないように片付けておきましょう。

着岸の補助をしよう

離岸は意外と簡単。でも着岸が初心者は特に怖い。無事につけきれるだろうか。私も最初の頃はビクビクしていました。特に50ft付近の船とかガクブルでした。ぶつけたらお客様に怒られるし緊張感フルマックス。大型船とか運転する方すごいなと思います。

さて、恐怖の着岸ですが、クルーがいると難易度が下がります。クルーのお仕事は船をバースに固定する補助役です。まずは、着岸する際にはロープを持って船で待機して下さい。船長もクルーも慣れないうちは姿勢を低くすると良いです。なぜならば、初心者船長は時に焦ってバースに突っ込む人が居ます。最近流行りの年配の方が前進と後進を間違えてフルスロットルにしてしまったというやつです。これは昔何度か経験したことがあります。免許取り立ての新入社員の子が焦ってバースに突っ込んでしまったり・・・。衝突の際かなりの衝撃が来ます。油断していると態勢を崩して転倒し落下したりします。

よって、なるべく姿勢を低くして待機しておいた方がよいです。

船がバースに寄って、スピードがデッドスローになった時点で、バースに移り先ほど述べたクリートにチョンがけで待機します。焦って船長の指示なしに固定してはいけません。よくあるミスが、船長がまだ動かして前進している際に、船首のロープを急に固定してしまい、船尾が外側に離れてしまう事があります。チョンがけしたら、状況を見て緩めたり止めたりし、絶対に船長の指示に従って固定して下さい。

時折、新米船長はバースへの突入スピードが速い場合があります。その際に船の勢いを殺したい場合、チョンがけでは力が足りない場合があります。その際は、クリートにもう一週ひっかける事で力が増します。勿論、手を緩めれば簡単に緩みます。

こんな感じです!

ただし、この際も船首側を急激に締めてしまうと船尾側が離れていきますので、なるべくなら後ろと一緒に連携を取りながら固定した方が良いです。

絶対にやっちゃいけない事

船がぶつかりそうだからと、身を挺して止めようとしないで下さい。最悪の場合、船とバースの間に体が挟まってしまい怪我をしてしまいます。以前、ヨットどうしが衝突しそうだからと、手を伸ばして押そうとして指が挟まり切断してしまった方を目前にしたことがあります。非常に危ないので身を挺して止めようとしないで下さい。

船の上はきれいに保とう

船に乗りなれていない釣人は船の上の勝手がわかっていません。船の上、特に人が通る導線には物を置かないようにしましょう。また、道具などを散乱させたりも良くないです。時折、デッキの上に直接ロッドを置く人が居ます。これ非常に良くないです。もし踏んでしまった場合、滑って転倒する恐れがあります。ロープもしかり。足に巻き付いて転倒する可能性もあります。

それ以前に、ロッドは踏んでしまって折れた場合、お互いにかなーり気まずいでしょう。修理代も安いものではないです。ロッドは船から降ろすまで、終始船に装着してあるロッドホルダーを使用しましょう。これはお互いの為です。

また、ジグや道具もデッキの上に散乱させずに、都度片付けてきれいにしておきましょう。

船の上はきれいにして帰りましょう

船にごみは残さないようにしましょう。また、魚の血やオキアミ等を使用した場合はきれいに流して帰りましょう。長く船の状態を維持するためにも来た時よりも美しく精神で!

また、使用した針やラインもしっかりと片付けて持って帰ることも大事です。特に針は要注意です。以前、クルーが残して帰ったサビキ針が態勢を崩して転倒した際に指に刺さった事があります。

こういった事もありますので後片付けはしっかりと行うようにしましょう。

偉そうな事ばかり書いてしまいましたがお許しくださいませ。安全に釣りライフを楽しんでいただきたいと思います。それではまたっ!